2018.02.25 0東京日本橋歯科
当院のエントランスを飾る大谷石
当院のエントランスの壁には、さまざまなカッティング法が用いられた大谷石が使われています。
優しい色合いのこの石は、栃木県宇都宮市大谷地区だけでしか採掘されないため、一般に「大谷石」と呼ばれていますが、地質岩石学上の正式名称は「流紋岩質溶結凝灰岩」といいます。

さまざまなカッティングの大谷石
大谷石は、2000万年ほど前に火山の爆発によって噴出した火山灰などが海水中に堆積し凝固してできたといわれています。 そのため、大谷石は「みそ」と呼ばれる茶褐色の斑点があり、そのさまざまの大きさの「みそ」が柔らかく温かみのある風合いを醸しだしているのです。

大谷石のミソ
大正12年、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが設計した20世紀を代表する名建築 帝国ホテル(現在は愛知県の明治村に移されて保存)の壁や柱など、至る所に大谷石が使われていたことで広く知られるようになりました。
また大谷石は、その見た目の優しさだけでなく優れた効果があります。
・多孔質で多くの空気を含むため、温度・湿度も一定に保つ
・天然ゼオライトを含有し、吸着性、脱臭効果がある
・大量のマイナスイオンと強い遠赤外線を放出し、癒し効果がある
・耐震性・耐火性にすぐれている
・吸音性に優れ、音響効果がある
など、さまざまな特徴があり、医院の建材として、とても適した材質であるといえるでしょう。
民藝で知られる柳宗悦は、大谷石について次のように記しています。
『質が堅くないだけに、石に連想される冷たさがない。
丁度石と木との間のような性質がある。堅くないだけに親しみやすい。
何も上等な石というわけではいが、私は大谷石に日本的なものを見出さないわけにゆかぬ』
当院に来院される患者さんにとって、すこしでも落ち着いた空間であり、そして長い年月の中で、時が経てば経つほどに味わいのある診療所を象徴する外観となればと思っております。