• トップ>
  • コラム>
  • なぜ甘いものを食べるとむし歯になるのでしょうか

2018.02.26 1歯のはなし

なぜ甘いものを食べるとむし歯になるのでしょうか

歯の表面は、エナメル質と呼ばれ、生体の中で最も硬い硬組織で覆われています。 エナメル質の96%は無機質【大部分がハイドロキシアパタイトCa10(PO4)6(OH)2】で、残りが水と有機質で成り立っています。 そのハイドロキシアパタイトの結晶が、酸によって破壊される事を脱灰といい、それが繰り返され穴が開いた状態をむし歯といいます。   常在菌として口腔内に存在するミュータンス菌が、エナメル質の表面に付着し、食べ物の糖分を発酵させ乳酸を産生します。この乳酸がエナメル質を溶かし、破壊へと導いていくのです。砂糖の摂取により口腔内のpHは酸性に傾き、約30分間エナメル質は脱灰され続けると言われています。また、砂糖を摂取する量により、pHの低下の仕方や、脱灰される時間の長さが変わることが知られています。  
塩酸中で歯が溶かされている様子
               
               塩酸中で歯が溶かされている様子
  本当に酸によってエナメル質が溶かされるのか、塩酸を使って実験してみました。 上の写真は、抜いた臼歯を塩酸に入れ、30分ごとに取り出し撮影したものです。ご覧のとおりエナメル質が溶かされ、小さくなっていくのがお分かり頂けるかと思います。   初期のむし歯でない限り、むし歯によって一度失われたエナメル質は再生する事はありません。 「むし歯は、なってから」でなく「ならないように」が大切です。 歯を傷つける事は破壊へのスタートです。 これからもプラークコントロールと共にシュガーコントロールで歯の健康を守っていきましょう